大原記念財団について
大原記念財団の理念 (平成24年(2012) 1月1日制定)
人を愛し、病を究める
私たちは、すべての患者さまとご家族のために、
常に一歩先行く医療を探究し、優しさを持って
最善を尽くす医療を実践することにより、
地域から信頼される病院を目指します。
行動規範 (平成24年(2012)年 1月1日制定)
私たちは
1.医療安全を確立し、安心と信頼を獲得します
2.命の尊厳を深く理解し、患者さまの権利を尊重します
3.優しさを持ち、気づきの医療を実践します
4.人間性豊かな医療人となるよう、常に自己研鑽します
5.新しきことへ挑戦し、質の高い医療を創造します
6.医療人としての誇りを持ち、如何なる時も最善を尽くします
7.医療情報の共有と活用を促進し、得られた情報は厳格に管理します
8.地域社会に支えられていることを認識し、医療連携を推進します
9.相互に敬意を払い、連携を密にして組織的に行動します
10.未来への発展のために、健全経営を目指して努力します
理事長あいさつ (令和6年(2024)年 年頭挨拶)
Change, Chance, Challenge 3つの「C」で市民の命と健康を守ります
![](https://www.ohara-hp.or.jp/zaidan_cms/wp-content/uploads/2023/07/greeting_img01.jpg)
一般財団法人 大原記念財団
理事長兼統括院長
佐藤 勝彦
あけましておめでとうございます。令和6年・2024年になりました。今年の抱負などを含めご挨拶申し上げます。無事に新年を迎えられましたこと、皆様のおかげと心より感謝申し上げます。
新年早々、令和六年能登半島地震や航空機事故が発生し、心穏やかならぬ幕開けとなりました。被災され多数の大切な命が失われてしまったことは痛恨の極みでございます。心からお悔やみ申し上げます。東日本大震災で私たちも被災し、入院患者を避難させたことが蘇りました。
今現在も災害は進行中で被災地では避難生活を余儀なくされている方々が多数おられます。同じような経験をした者として、また医療従事者として、私たちはできる限りの被災地の方々への支援を行っていきたいと思います。
さて、昨年を振り返りますと、新型コロナウイルス感染症が5類に移行したことを受けて感染症対策としての制限が解除され、社会全体がコロナ流行以前に戻ってきました。
このような状況の中にありましても、各病院とも目標を見失うことなく活動してまいりました。特に、大原綜合病院は一昨年の病院機能評価機構の審査から引き続き昨年はJCEP(卒後臨床研修評価機構)の審査を受けました。大原医療センターは回復期病院として病院機能評価機構の審査を受けました。いずれも全職員総出で対応し、素晴らしい評価をいただけたと思っております。
その表れとして、実は「医療のTQM推進協議会」から毎年実施しているフォーラム「医療の改善活動」全国大会を福島で開催してくれないかと打診がありました。なぜ大原なのですかとお聞きしたところ、病院機能評価機構からの推薦で、東北では大原綜合病院がTQM(Total Quality Management)活動をしっかりやっていると教えられたからだとのことでした。
このように質の高い医療の提供を行うべく努力している病院として、全国的にも名を知られる存在になってきたと言えるかと思います。現在は、福島市内のコンベンション機能が整っていないため今回はお断りせざるを得ませんでしたが、先方からは数年後の駅前再開発が進んだ際には再度お願いするとのことで、これからも私たちは自信を持って医療の質改善活動を続けて行きたいと考えています。
今年は甲辰(きのえたつ)“これまで準備してきたことが成就する年”とあります。
昨年は、大原綜合病院では総合救急センターと外傷センターの集約化、およびカテーテル室の増設と改修工事が完了して急性期病院としての体制をより整備いたしました。また、「プレミア4床室」を設け、患者さまの療養環境の改善にも着手いたしました。今後も引き続き地域からの紹介患者さまが増加し、救急医療の需要も高まってくると思います。これからは患者さまの受け方も改革し、しっかり受け入れることで地域からの要望・期待に応えていかなければなりません。
一方、大原医療センターと清水病院の統合計画は、本年より改修工事が始まります。精神科医療を加えた新たな回復期医療の提供を目指して取り組んで参ります。
本年の抱負としては、3つの「C」を考えています。すなわち「Change, Chance, Challenge」であります。昨年からの社会の変化(Change)を、改革の絶好の機会(Chance)と捉え、新しいことへ果敢に挑戦(Challenge)し、「市民の命と健康を守る」という使命を果たすことです。
今年から本格的に「医師の働き方改革」が施行されますが、働き方改革は全職員が対象です。また「2024年問題」といえば医療界のみならず物流・運送業界でも大きな問題となっています。まさに社会全体が働き方改革で変わります。
その中で全ての業界で問題となっているのは人手不足です。医療界では医師のみならず看護師や病院薬剤師など医療スタッフの不足も深刻です。しかし、人手が足りないからといって人の命を預かる地域医療提供体制はしっかり維持しなければなりません。働き方改革は個人の努力のみでは解決は困難なため、タスクシェアリングやタスクシフティングなど、チーム医療の推進や医療DXで業務効率化を推進して改革を乗り越えていきたいと思います。
働き方改革の対策としては、時間外労働のさらなる短縮が求められることを踏まえ、本年4月から週休2日制を導入する予定です。ただし土曜日の業務で、透析や当日紹介患者、あるいは365日提供しているリハビリや土曜の健診業務、といったこれまで土曜日に提供していた医療についてはこれまで通りに業務を継続いたします。また、土曜日には地域の診療所は通常に診療されているということで、急性疾患の当日紹介患者についても、これまで通りにお引き受けできるよう休日当番体制を確立いたします。この難題を克服するため、すべての職員で取り組んでまいります。
最後になりますが、自然災害に対する備え、火災などの二次災害への備え、さらに流行の再燃が懸念されるコロナ・インフルなどの感染症への備えを万全に、そして航空機事故は人為的ミスの可能性があるとのことで、私たちも肝に銘じて医療安全の再点検を行ってより安全な医療の提供を行うことで、今年こそ良い年になりますよう願っております。
今年1年、皆様のご健勝とご活躍を祈念し、年頭のご挨拶といたします。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。